SOFTな穿き心地!レーヨンデニムは歴史を変えた!
Do you know ?
ジーンズの中に、Soft Jeans(ソフトジーンズ)っていうカテゴリーがあります。
【 Soft (ソフト) = 柔らかい = 穿きやすい 】
えっ?
なに?なに?Soft Jeans (ソフトジーンズ)って?と思ったアナタ・・・30代前半以下ですね(笑)
その世代が触れているジーンズは、既に柔らかくなったジーンズですからね〜。
という事は・・・現在流通してるジーンズって、ほぼソフトで穿きやすいです(笑)
今回の BMC JOURNAL は、ジーンズ業界の Soft Jeans (ソフトジーンズ) というカテゴリーのお話です。
ソフトジーンズは、柔らかく穿きやすいジーンズです
今のジーンズって、ストレッチが入ってるのが当たり前です。
伸び伸びで、柔らかくて、穿きやすいですよね〜。
なんなんだ!オヤジ!ソフトジーンズって!ジーンズ業界の古い奴らが昔作った勝手なカテゴリーだろ?という声が聞こえてきそうです・・・
そうなんです!
ジーンズ業界の古い世代の人達が、それまでのジーンズとの差別化を明確にする為に、勝手にカテゴライズしたジーンズなんです!!!!
まあまあ。
トランキーロで、オジサンの昔話を聞いて下さいな(笑)
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*合わせて読みたい BMC JOURNAL:
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戦後、日本にジーンズが入って来ました。
若者の文化を体現する衣料品として、瞬く間に日本でジーンズ市場が出来上がりました。
昔のジーンズは、ガッチガッチの生(未洗い)ジーンズで、自立するくらいガッチガッチでした(笑)
(写真参照元:https://dic.pixiv.net/a/ジーンズ?year=2010&month=5)
その後、ジーンズを洗っちゃおうぜ!っていう動きが出てきて・・・半世紀以上継続してるジーンズメーカーは、みんな「俺が初めにジーンズ洗った(ワンウォッシュ)んだぜ!」って言ってる、ややこしい業界です(苦笑)
ジーンズを洗ったからって、ジーンズはゴワゴワの硬い生地で、穿き心地が悪く、ジーンズを敬遠する人がまだまだいました。
しかし・・・・
90年前半に、大革命が起こります!!!
BOBSON(ボブソン)から【 04ジーンズ 】というレーヨンデニム生地を採用した、既存のジーンズにない穿き心地を追求した超画期的なジーンズが登場しました!!!!
気づきました?
04ジーンズの【04】って、【レーヨン】を表してる、イカしたネーミングです!
柔らかくて、穿きやすいね!
柔らかくて、穿きやすいね!
見た目はジーンズなのに・・・柔らかくて、穿きやすいね!
という評価で、新しいジーンズが誕生しました。
そして、これがSoft Jeans(ソフトジーンズ)のカテゴリーが生まれたキッカケです。
穿きやすさを追求したジーンズ。
それは、04ジーンズでありソフトジーンズなんです!!!
ジーンズ業界って、この04ジーンズからのソフトジーンズを四半世紀も追求してるんですよ・・・・・・ここしか切り口ないのか?と悲しくなりますね(涙)
その中で出てきたジーンズが・・・・・
DIESEL JOGGJEANS
(写真参照元:DIESELオンラインストア https://www.diesel.co.jp)
EDWIN JERSEYS
(写真参照元:EDWIN オンラインショップ http://edwin-ec.jp/brand/CSfBrandTop.jsp?brandCd=101)
ソフトジーンズの【 柔らかくて、穿きやすい 】を追求し、現代風にアレンジしたものが・・・これらを代表するニットデニムやニット風デニムです。
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*合わせて読みたい BMC JOURNAL:
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ソフトジーンズ = 柔らかくて、穿きやすい
これがソフトジーンズの定義です(笑)文字そのままですがね・・・。
レーヨンってなに? レーヨンデニムってなに??
さてさて、長くなりましたが、ここからが今回のBMC JOURNALの本題です。
ソフトジーンズというカテゴリーを作り出したBOBSONの 04ジーンズ 。
04ジーンズは、レーヨンという繊維を使用したデニム生地を採用していました。筆者も人から教えてもらった知識ですが、デビューはレーヨン100%だったが、家庭洗濯でシワシワになったり、店頭や輸送時に不備があったり、他社の参入があり、すぐにレーヨン100%ではなくなったと。レーヨン混紡(これまた出てきますよ)になったと聞いています。
【 レーヨン 】ってなんだ?
レーヨン ( rayon ) は、絹に似せた再生繊維です。
(参照:Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/レーヨン)
木材を原料としたパルプのセルロースをアルカリである水酸化ナトリウムと二酸化炭素に溶解してビスコースにして、酸の中で紡績すると再生繊維レーヨンが出来上がります。
↓↓↓↓
木材を原料とした植物繊維の炭水化物をアルカリである水酸化ナトリウムと二酸化炭素に溶解して中間生成物にして、酸の中で紡績すると再生繊維レーヨンが出来上がります。
って言っても、よくわかりませんよね???
【レーヨンのメリット】
*光沢がある
*柔らかい
*ドレープ性
*発色性が良い(よく染まる)
*サラッとした肌触り(冷やっとした肌触り)
*吸湿吸水(発熱効果があったりします)
【レーヨンのデメリット】
*シワになりやすい
*重い
*水に濡れると弱い
*水に濡れると縮む(元に戻りにくい)
→熱に弱いというイメージがありますが、通常生活においては問題ないですよ〜。
「絹に似せた」ってありますよね?
「絹」ですよ。人造絹です(笑)
絹って光沢あって、しなやかで、柔らかで、ツルツルして、高級で・・・
「高級なんだよなぁ・・・・・・絹って。」
「じゃ、絹より安くて、絹みたいな繊維を人工的に作っちゃおうぜ!」
「マジ卍?」
「必要ない木材の繊維を薬品漬けにしたら、なんかできんじゃね?」
「マジ卍?」
「化学の力を駆使して、やっちゃおうぜ〜!!!!」
って事で、出来上がったのが、ビスコースを用いた湿式紡績によるレーヨン繊維の製造です(笑)
レーヨンの製造方法は、
*原料は木材
*木材から繊維を抽出する
*抽出した繊維を薬品漬けにする
*ビスコースっていう中間生成物ができる
*そのビスコースを酸に漬ける
*その酸の中で、ビスコースから繊維を作っていく
*繊維を紡績したら・・・レーヨンの出来上がり
っていう風に感覚的に捉えて下さいね(笑)
レーヨンの糸を用いて作られたデニム生地が、レーヨンデニムです。
レーヨンのメリットを従来のデニム生地に加えた、Soft Denim(ソフトデニム)の誕生です!!!!
従来のデニム生地のデメリットである硬さやゴワツキ感を改善したものが、
人工的に絹の様なレーヨンという繊維を組み合わせたレーヨンデニムなんです。
ここから、上述にある 穿きやすさ の追求の歴史が幕を明けました・・・MAKUAKEです(笑)
【レーヨンデニムの特徴】
*綿100%デニムに比べると光沢がある
*綿100%デニムに比べると柔らかい(コシがない=テロンとしてる)
*綿100%デニムと比べるとドレープ性が格段に高い
*綿100%デニムと比べると比重が重い(穿くとわからない)
ジーンズを企画するにあたって、ターゲット層にもよりますが・・・・
ジーンズのソフトさを売りにするなら、間違いなくレーヨンデニムを選択します。
メンズパンツで太いシルエットにすると、比重の重さと、見た目の光沢で好き嫌いが出るので、筆者ならタイト目のシルエットにしますね(笑)
タイト目のシルエットにする事によって、レーヨンデニムの風合いを感じる事ができて、従来のジーンズとの差別化が穿いて体験できますからね!
レーヨンデニムって、現在のジーンズ市場において、メンズよりレディースの方が定番化しているんですよ〜。特に春夏アイテムでは、定番中の定番のデニムが、レーヨンデニムなんです。
(写真参照:http://fashionwalker.com/brand/superhakka/item/SUH0117S0243)
ねっ?
光沢あって、テロンとしてるでしょ(笑)
レーヨンデニム独特な光沢感とドレープがレディースアイテムにはぴったりなんですよね。
レーヨンデニムは2種類ある
レーヨンデニムって・・・・実は、2種類あるんですよ!!!!!!
レーヨンは、再生繊維を紡績した絹の様な風合いの糸です。
糸ってことは、糸を構成する繊維もレーヨンです。
レーヨンデニムと世間一般に言われてる生地は、
*経糸が 綿とレーヨン の混紡
になってるんです。
→レーヨン混紡
*レーヨン混紡のレーヨンデニムは、上述のレーヨンデニムの特徴を持っています。
もう一つのレーヨンデニムは・・・・・・経糸が綿だけです。
*緯糸にレーヨンを使用
して、生地が織られています。
→レーヨン交織
この2種類がある事は、アパレル業界やデニム業界にいるなら絶対に覚えましょうね!
混紡、交織は、コストにも影響します。
ソフトジーンズは、レーヨン混紡のデニムです。
では、なぜ交織というレーヨンデニムがあるのか?
それは、上述のレーヨンデニムの特徴を失うが、綿100%デニムと比較すると柔らかいという特徴を引き出せるという事と・・・・レーヨン繊維自体が持つ能力をダイレクトに伝える事ができるからなんです。
*サラッとした肌触り(冷やっとした肌触り)
*吸湿吸水(発熱効果があったりします)
ソフトジーンズという概念とは異なる、シーズンにおける機能を強化する事ができるんです!
メンズジーンズの企画では、
レーヨン混紡ジーンズは、年間アイテム。
レーヨン交織ジーンズは、春夏アイテム。
という様に分ける事があります。
どんな繊維でも、ターゲット層やシーズンを考慮し、自分自身で企画し設計しないと・・・繊維メーカーさんや生地メーカーさんの【売りたい糸という商売ベース】に翻弄されちゃいますよ。
最後に、筆者のジーンズ経験則の中で、名実共にNO1のレーヨンデニムを使用したジーンズを紹介しますね〜(笑)
(参照元:EDWINオンラインショップ http://edwin-ec.jp/disp/CSfGoodsPage_001.jsp?GOODS_NO=82039&q=&brandCd=101&cateCd=001&sort=&type=&stock=&goods_sale_tp=&outlet_yn=&rowPerPage=&ff=goods_series_search_cd&fv=1101)
EDWIN INTERNATINAL BASIC
403 SOFT FLEX
です。
筆者も何度もレーヨンデニムや、それの仲間の再生繊維を用いて、商品開発を行いましたが・・・・一度もこの EDWIN 403 SOFT FLEX を超えれるソフトジーンズを作る事ができませんでした(涙)
レーヨンデニムを扱うには、それ相応の知識と経験が必要です。
なんてたって・・・薬漬けの人工繊維ですからね(笑)
これだけは再生繊維に言いたいんですよね・・・・
確かに土に帰るけど・・・・薬漬けのくせに、エコっていうなよ・・・・・・(笑)