シルケット加工でデニムの表情を変える術
左右の違いわかる?
この写真、よく見てみると左右で微妙に色が異なりませんか?
わっかるかな〜?
この色の違い・・・わっかるかな〜?
*左右同じ規格のデニムです
このデニムの色の違いがわかる人は、デニムのプロになれますよっ(笑)
今回のBMC JOURNALはプロの技を伝授します!
We love DENIMMMMMMMMM.
戻ってきましたよ〜
マニアックなデニムの知識の宝庫・・・BMC JOURNALへ。
いつ振りなんだぁ?
普通のBMC JOURNAL書くのタイプするの・・・・(苦笑)
せっかく復帰したので、マニアックな知識をひけらかすだけじゃなくて、プロしか知らない知識も開放しちゃいますっ!
デニムのプロぶるって、業界にいるには大切ですからね!
Google先生にも載ってない知識でっせ。兄さん達YOっ!
というわけで・・・・・・続きね。
左より右の方が濃いですよね?
ここで「濃い」って言っちゃう人は・・・業界人から無知だなぁ〜って言われますよ。まじで。
なんとなく業界人っぽく振る舞う為には、こう言うんです・・・・・
「右の方が、左より赤い」
って言うんDESU・YO!
これ、デニムのプロの言い方ね(笑)
なんで同じ規格なのに・・・右の方は左より「赤い」のか?
それはね・・・・
ジャ・ジャジャーーーーーーン!!
*左:レギュラー加工のデニム
*右:シルケット加工のデニム
(豆知識)デニムを織り上げた後に、仕上げ加工を行って流通させます。その仕上げ加工が、レギュラー加工やシルケット加工ってわけです。
シルケット加工は、レギュラー加工より赤味が増すんですよ。
シルケット加工は、レギュラー加工より赤い。
シルケット加工ってなんだぁ?
えーーーー。
シルケット加工って、レギュラー加工より赤くなるんだ・・・・・って、シルケット加工ってなんなのよ?ですよね(笑)
聞いたことある?
【シルケット加工】って。
綿が、ヤク漬け・・・合成麻・・・薬品(苛性ソーダ)の力によりシルクのような光沢やしなやかさを得る事ができるようになる加工方法が、【シルケット加工】なんですよ。
シルクみたいになる・・・・・
シルク姉さんじゃなくて・・・・
繊維のダイヤモンドを求めて富山の絹の道(シルクロード)へ
このシルクね(笑)
なんで綿をシルクみたくする必要があるのか?
それはね・・・・
シルクって生産量が少なく高級だからです。
世の中にたくさんある綿をシルクみたくできれば最高じゃん!って発想を持ったかどうか知りませんが、
業界では有名な英国紳士(かどうかは知りません)のマーサーさんがシルクみたくなる加工を発明しちゃったんですよっ!
あの【マーセライズド加工】ね!!!
アパレルにいたら聞いた事あるでしょ?マーセライズドって。
【マーセライズド加工】=【シルケット加工】同じ事なんですよ〜。
日本以外は、マーセライズド加工。
日本だけが、シルケット加工。
なんで日本だけシルケット加工(シルケット)と言うのか・・・・・
それはね、明治30年頃に、海外からシルクのような綿布が輸入された時に、シルケットって言われてたかららしい・・・です。
シルクのようなブランケット・・・・シルケット(笑)
シルケット加工で得られる特徴は・・・?
化学の力でエイヤーと綿をシルクみたくしちまうシルケット加工(=マーセライズド加工)。
苛性ソーダにドバドバ浸して、シルクみたく光沢を得る。そして、しなやかにする。
これね、簡単に言うと、綿の糸の毛羽立ちを苛性ソーダで溶かして(焼いて?)ツルツルの毛羽の無い綿の糸を作ってあげるって事なんです。
(シルケット加工で得れれる特徴)
*光沢
*しなやかさ
*発色生の向上
*膨らみが無くなる・・・これは引っ張りながらシルケット加工機に通すから
*生地表面がフラットになる
シルクっぽい要素を化学の力で得るという文明の成熟度が成せる技がシルケット加工なんですよ。
(注意)詳しく知りたい人は、自分でググってみてね。
なんでデニムにシルケット加工が必要なの?
俺が20年前に聞いた話だと・・・・
粗野に見えてゴアゴアのバッキバッキな昔のジーンズを高級感あって穿き易くする為にシルケット加工を施したって事でした。
確かに、シルケット加工の特徴を持つデニムは、新しいデニムとして受け入れられたんでしょうね。
でも、ドンドンと糸の開発が進み、織りや仕上げの研究開発が進み、シルケット加工が無くても高級感あって穿き易いジーンズはいくらでも作れるようになってますよね。
それだけデニムの技術進化は早いんですよね〜。
じゃ、なんでデニムにシルケット加工を施す事が続いてるのか?
ここからは企画者として、プロとしてのシルケットの使い方です!
通常のデニム(レギュラー加工)
に【シルケット加工】を施すと・・・・
赤くなります(笑)
赤くなるの大事だからね!
見ただけで、生地表面の【光沢感】【フラット感(ツルッと感)】ってわかりますよね!
(注意)わからなくても、わかった振りするのもプロとして大事だよ
例えば、洗い加工のリンスを考えた際に、シルケット加工を施したデニムを用いた方が、グン!と感覚的に高級感が出ます。
人間って不思議なもので、濃い色ほど高級そうに感じます。
ここで伏線の回収です(笑)
「濃い=赤い」です。
例えば、ユーズド加工を施す際に、レギュラー加工のデニムをガシガシと擦ったり、石を当てたりすると・・・レギュラー加工の持つ粗野感が更に強調された男前なユーズド加工ができます。
サラッとした綺麗目なユーズド加工の表情が欲しいなぁと思った時にシルケット加工のデニムを使うと・・・・
あ〜ら不思議・・・・
こういう経糸と緯糸のコントラストがあまりない、フラットなユーズド加工ができちゃうんですよ。
業界で言われるところの・・・ペタっとした顔のユーズド加工ね。
今現在の流れは、このペタっとした綺麗目に見えるデニムの表情が市場に適してるんじゃないかなぁと思います。
まぁ、BMCは真逆のあえて粗野感を前面に出したデニムと加工を追求してますがね・・・・
シルクみたいな要素は、実戦の企画では正直必要としていません(苦笑)
イメージするジーンズの完成品に近づける選択肢として【シルケット加工】が必要な場合がほとんですっ!
少なくとも15年くらいは、俺は、完成品の為に【シルケット加工】デニムを使用してます。
シルケット加工で得られる洗い加工の特徴は・・・?
シルケット加工を語りながら・・・・その要素を完成品のイメージでしか用いないという俺を含めた企画者達(苦笑)
デニムメーカーさん、ごめんなさい。
ここだけの話・・・デニムメーカーさんもキバタを作って、レギュラー加工やシルケット加工や様々な仕上げ加工でデニムの表情を変えて効率良い流通を行ってるから、お互い様ですけどね(笑)
デニムメーカーさんも商売ですからっ。
ここまで読んでくれたクレイジーピーポー達は、なんとなく理解できたかな?
シルケット加工の本来の特徴を活かして、ジーンズの完成品を目指す!って事なので、シルケット加工でしか得られない特徴があるんですよね。
(シルケット加工で得れれる洗い加工の特徴)
*光沢感
*しなやかさ
*インディゴが赤味に振れる(=濃く見える)
*膨らみが無くなる
*生地表面がフラットになる(=ペタっとした表情になる)
*ユーズド加工しても粗野感は出ない(=綺麗目なユーズド加工になる)
*高級感を持たせる事ができる
*セールストークでシルケット加工を謡える(笑)
プロは逆算からの設計でシルケットルケット加工を使用する!
企画者って、デニム生地の規格を明確に指示できます(俺も)。
経糸は何番・ムラの形状や紡績種類。緯糸も同じ。
そして、織り上げる時の経と緯の打ち込み本数。
そのイメージのキバタに対して、完成品の加工をイメージして、仕上げ加工を選択していきます。
その前では、完成品のイメージが明確にあります。
それに対して、逆算でジーンズを構成する要素を設計していきます。
自分が思い描くジーンズを具現化する為に、シルケット加工の特徴が必要ならそれを選択します。
ジーンズの表情だけでなく、穿き心地を含めた風合いを計算してね。
その時に必要なんですよ〜
シルケット加工したデニムは赤くなるっていう知識と感覚がね。
デニムメーカーの方と話す時に、ハンガーやブランケット見ただけで、あーこの生地はシルケット加工だねって言えるだけで・・・・・
こ、こ、こいつ・・・やるなっ!
とプロから一目置かれますよ(笑)
その時に、逆算からシルケット加工が必要な意味を話して・・・だからシルケット加工のデニムを使いたい!と意思表示すれば・・・
あなたもプロの仲間入りですよ( ͡° ͜ʖ ͡°)
企画者としてデニムのシルケット加工を制する事は、洗い加工を制する事ができるってことですね〜
ちなみに・・・なんでシルケット加工すると赤くなるの?と疑問に思ったと思います。
その話は、またBMC JOURNALに書きますね〜
化学の話だからね〜読みたい?そんなBMC JOURNALって(汗)
ちなみに化学を制するとデニムを制する事ができますよ。
じゃ、またね〜( ̄▽ ̄)